失うことのなにがしか
今年、私たちの卒業式はなかった。その私たちには、ぼくは含まれていないけど。
そんなわけで仲間たちは、学校で卒業証書を受け取り、紙袋を下げ、追い出しコンパに来たわけだ。
酔っぱらいながら、急に何かを失ったことに気づいた。
いつかは終わるってわかっていたのに。
失ったのはその時間か、もう会えなくなる友人か、それとも別なのだろうか。
おっと、今回は随分センチメンタルになるようだ。
何故か、大学の時間は終わりがわかりずらい。
終わりが、なんなのかというのもわかってやしない。
まあ、終わりがわかっていても、おそらく過ごし方は変わらないのかもしれないけどね。
でも、今までの卒業式とは違う気がする。
その失い方は、ふわっとしか感じられないのに、日に日に重くなっている。雨の日のスーツみたいに。
そして仲間たちは、スピーチで、今を大切にとか、悔いを残すなとか、目の前を大切に、とか言ってマイクを置いた。
教訓。
僕には、まだ多少時間があるような気もするが、どうしたらいいのだろうか。
今を大切にといっても、ね。
そんな気分になっても、僕はその気持ちをすぐに忘れてしまうのかもしれない。
僕は、すぐにいろんなことを忘れてしまう。
それは昔から、なにも変わってない。
教訓は、感じないとわからない。
感じても、どうしたらいいかわからない。
はあ。最近は気持ちがうまく言葉にできないことが多いなあ。
何かに覆われてるのかも。ははは。何にだろう。
よくわかんねえけど、とりあえず、これだけは言いたい。
卒業おめでとう。そして、これからもよろしく。