エッセイについて  The Essays?


エッセイと一口にいってもいろいろである。

伊丹十三のある種、啓蒙的と言ってもいいものから、コミカルが漂う原田宗則、読めばこのタイトルしかないように思える土屋賢治、エッセイというある種の気楽さのようなものをぶち壊すまでの真剣さを備えたポール・オースターまで、エッセイといっても一口には言えないものである。

その中でどうしても心を惹かれてしまうのは柴田元幸だ。
何に惹きつけられるか?
それは、距離である。世界に対してのいや生に対してのといったほうがいいかもしれない。といって、いつもそんなことを感じさせることは書いてはいない。なんか日常のどうでもいいこと(失礼)と英語的なことが書かれている。

柴田氏のエッセイの中に幽霊が登場する。それも一回ではなく、何回も。しかも、自分を幽霊にしてしまっているものさえある。そのエッセイの最後は、ユーモアというオブラートに包んでいるけど、こんな風に書く人ってあんまりいない。でも問題は、僕がその幽霊話に、とても興味をそそられることだ。なんか日常を書いているのも好きだけど、一段と幽霊のほうがイメージ的にも、印象的にも強い。

幽霊自体には、あんまり興味を感じたことはないのにどうしてだろう?