本について  Why you drink beer ?

「なぜ本なんて読む?」

「なぜビールなんて飲む?」

これは、村上春樹の処女小説「風の歌をきけ」の一節で、バーの中で「僕」と鼠という仇名を持つ友人との会話である。
一見洒脱、そしてほとんど答えにはなっていない切り返しであるが、僕にも同じような同じような質問をぶつけられたことがある。

それは、最近小説、読み始めたことを友人言うと、「へー!いいじゃん!」くらいの返しがあるかと思いきや「小説って面白いからよむんだろ?すると、テレビを見るのと同じじゃないの?」と言われ、僕は「ん?うーん。そうかもしれないねぇ・・・」などと、お茶を濁すだけで終わったのだった。

その質問の裏には、まぎれもなく冒頭の質問が潜んでいるといってよいと思うが、その質問に答えるのは極めて困難である。
その答には、僕の中では「面白い」がその大部分を占めている。この「面白い」っていうのは厄介で人によりその感じ方は全く違う。さまざまだ。
だからといって、たまたまその対象が、僕にとっては小説だったんだというのは、答ではなくただの前提の提示にすぎないではないか?

じゃあ小説の何が面白いの?と迫られることになる。

うーん・・・