身体、自分との距離またはニーチェ

結構前になるけど、芝居を見てきた。そこはアングラといっては違うけど、それにきわめて近い感じがした。

友達の友達が座長ということなので、軽い気持ちで行ってみると不思議な雰囲気だ。

その劇場は、閑静な住宅地にあり、ここだけ光で照らされているのは何かがずれていた。

舞台は、その地下でパイプいすと綱で仕切られていて、僕のイメージするアングラそのものだった。

その舞台は、純愛ものでそんな雰囲気からはちょっと期待はずれだったけど、面白かった。

でも、一番印象に残っているのはそのパンフレットだった。

そこには、「悲しいから胸が苦しい」と書いてあった。

ホントに?

逆なんじゃないのか?

悲しいから胸が苦しいのではなくて、胸が苦しいから悲しいのだ。

ニーチェは「人間は結果と原因を取り違える」と言った。(らしい)

人間は悲しいと思って、自分の感情を認識するのではなく、胸の痛みを感じることで自分の心に気付くのである。

いや、本当に悲しいかどうかもわからない。

悔しい、を自分が勝手に悲しい、に置き換えている可能性だってある。

私たちは、そんな感じで感情をコントロールし何とかやり過ごしているのかなぁ。